文字コードを指定すると文字が定まります。たとえば 0x41 は US-ASCII でも UTF-8 でも「 A 」です。しかし、おなじ A でもさまざまなデザインがあります。この文字の形のことをグリフといいます。
グリフのセットをフォントといいます。フォントは一般にはOSに用意されているものを使いますので、種類が多いか少ないかはOSに依存します。
Windowsでは別売のソフトウェアと一緒にインストールされるフォントも多くあります。たとえば年賀状作成ソフトをインストールすると毛筆体が使えるようになるとか。
商用のソフトが少ないLinuxではWindowsに比べてフォントの数は少なくなっています。
英数字の場合は文字数が少ないので楽にフォントを作ることができます。そのため無料のフォントがたくさん作成されています。ここで選択できるフォントの多くは英数字用です。英数字用のフォントを選んだ場合、日本の文字は登録されていませんので,それに似たデザインのフォントを代わりに使います。どれを似た文字とするかという仕組みにまだ対応していないフォントもありうまく働かない場合があったり,まだ日本の文字の種類が少ないのであまり変化しなかったりしますが,昔のように登録されていないからといって文字が出ないとか,エラーになるなどの現象はなくなりました。
大きく分けて、セリフ(Serif)とサンセリフ(Sans Serif)の2つのグループに分けられます。日本の文字の場合はほぼゴシック体と明朝体に相当します。
筆記体や毛筆体など手書きに似せたフォントや視認性よりも装飾を意識したフォントのグループを定義する場合もありますが、使えないコンピュータもあります。それでも普通のパーソナルコンピュータならセリフとサンセリフの2つのグループから必ず1書体は使えるはずです。
サンセリフ(Sans Serif) | セリフ(Serif) |
ゴシック体 | 明朝体 |
例えばこのAの足についているヒゲの部分がセリフです。赤く塗って示してあります。
sans は withoutを意味するフランス語起源の言葉で「ない」という意味です。
Sans Serif は,続けてSans-serif と書いたり,Sansと略されることもあります。
monospaceとproportionalという語源を知っていると選択しやすいでしょう。
これはグリフの違いではなく、文字の配置の問題です。
英字の場合、文字の幅に合わせて文字を配置するのが普通です。英文の印刷物はその様になっています。文字幅を一定にしたい時は monospace というグループ(family)のフォントを使います。日本語では等幅フォントともいいます。昔は courier が有名でしたがフォントも増え、覚えられなくなってきて、それとわかるようにフォント名に mono と入れる様になってきました。monospace はもともと字幅が機械的な制約から一定になってしまうタイプライターのために等幅でも不自然でないように工夫された字体が元になっています。
monospace | |
その他(proportional) |
日本語の場合はどの文字も幅が同じであることが普通でした。しかし英字を同じ幅で入れると間があきすぎます。英字を漢字の半分の幅にする半角という組み方をする方法もありましたがこれでは狭すぎます。そこで文字により幅を変えるproportionalというフォントができました。漢字はほとんど同じ幅ですが、ひらがななどは文字と文字の隙間が漢字のそれと同じになるように詰めています。「く」の両側の隙間に注目してください。proportionalフォントの名前にはPの文字が入っていることがあります。
Pなし | |
P(proportional) |