大きな字の表示を作る
(枠に合わせて大きさが決まる文字)

目標

このようなものが必要になったことはありませんか。

OpenOffice.orgのDrawは枠を拡大縮小したときに、それに合わせて最大の文字で表示する様にできます。

手順

ページ設定

まず、紙の大きさを指定します。OpenOffice.orgは「ファイル」ではなく「書式」の中にページ設定があります。

メニューから[書式]-[ページ]と選択する

用紙サイズを選択し、向きや余白を調整します。

[ページ設定]ダイアログ

第1ページ

横になった T を選択すると縦書きになります。半角英字の場合はこのアイコンの様に90度回転した文字になりますが、日本語の文字の場合は文字は回転せず、文字の並びが上から下へ、行の並びが右から左へといういわゆる縦書きになります。少し違和感のある作りではあります。

右の用紙の部分をクリックしてできるテキストボックスに、とりあえず「議長」と入力します。

議長と入力

テキストボックスの枠の部分を右クリックして、出てくるメニューから[テキスト]を選びます。

テキストを選ぶ

ここでOpenOffice.orgのDrawにちょっと不具合があります。一度入力した文字をクリックするとテキストボックスの枠が表示され、ダブルクリックすると文字を再編集できるはずです。ところが縦書きのテキストボックスの場合、文字上ではだめで枠があったであろう付近をクリックしないと反応しません。

縦のテキストボックスの正しい選択方法本来の状態

テキストを選ぶとダイアログ(設定のためのパネル)が出ます。「テキストに幅を合わせる」と「高さを合わせる」が選択してあるはずです。(テキストボックスの作り方で多少違うかもちれません)

テキストに幅を合わせるを解除

このチェックを両方外すと、「枠に合わせる」を選択できる様になります。

すると枠に合わせるを選択できる

「枠に合わせる」を選択します。

枠に合わせるを選択

好みの大きさになるように色つき■の制御点をドラッグします。枠をドラッグすると全体の移動ができます。

ドラッグで大きさ調整

テキストボックスの外をクリックすると枠が見えなくなって出来上がりです。

完成

フォントの変更

必要ない場合は、2枚めを作るに進みます。

テキストボックスの枠上を右クリックして「文字」を選択します。(上記の不具合のため必ず枠です。枠内の文字領域ではできません)

[文字]を選択

文字のダイアログが出ます。「アジア諸言語用フォント」から「フォント」を選びます(1)。フォントを選ぶと(2)、フォントの例が下に出ます(3)。最後に[ OK ]で確定します(4)。

[文字]ダイアログ

サイズは指定する必要はありません。その枠内に半角文字を使っていなければ、「西洋諸言語用フォント」の設定も必要ありません。

明朝になった

2枚めを作る

メニューから[挿入]-[ページの複製]を選択します。

ページ複製を選択

ページがコピーされました。

ページ複製完了

文字列に「副」を加えます。(上記不具合のため文字上でなくまわりの枠付近をダブルクリックします)

副を追加中

入力中は入りきれないように見えますが、テキストボックスの外側をクリックすると文字列が確定して、元のテキストボックスの中に収まるように自動的に拡大・縮小されます。(Enterでは漢字の確定か、改行になってしまいます)

副議長確定

3枚めを作る

再びメニューから[挿入]-[ページの複製]を選択し、「書記」と入力します。

第3ページ「書記」

名前を加える

「議長」を小さくしてコピーします。

小さくしてコピー

やはり右クリックから「貼り付け」を選びます。新しく作ってもいいのですが、コピーすると文字の大きさを枠に合わせるという設定も引き継がれるので便利です。

貼り付け中

変わらない様に見えるのは重なっているから。ドラッグをしてずらします。(例の不具合のためテキストボックスの枠をドラッグしなければなりません)

ドラッグ中

移動したテキストボックスの大きさを調整し、議長の文字を消して名前を入力します。

議長+名前

テキストボックスの中で文字が片方に寄ったり、中心が合わなかったり、文字間隔が好みでなかったりするかもしれません。フォントを選択することで直るものもあります。

52文字作ればよいアルファベットに比べ、日本語のフォントは作業量が多くオープンソースではなかなか出てこない領域です。

OpenOffice.orgは様々な言語の要求が合わされて機能が磨かれていきますが、日本語とその組版の知識を持つ人がオープンソースの技術者も少なく、利用者も日本人の割合は多くはありません。中でも縦書きを必要とする仕事の割合はさらに少なく、Drawを使おうという人はさらに少いのが現状です。問題を発見してもそれを開発者に説明しようとする人が少なければ改良は進みません。


OOo Draw(Jun.2010)
聖愛中学高等学校
http://www.seiai.ed.jp/