正しい50音順に並べ替え

PHPの配列

順番付けられたマップです。伝統的なプログラミング言語を知っている人は、配列の添字に、文字列も使えるようにしたものととらえてもいいでしょう。要素を後から追加できるところも特徴です。

$iro = array('red' => 'あか', 'green' => 'みどり', 'yellow' => 'きいろ', 'white' => 'しろ');  //定義と初期化
$iro['blue'] = 'あお';     //代入(伝統的には項目は増やせないが、PHPは許容する)
print $iro['yellow'];      //参照(きいろ と表示されます)

次のようなイメージです。

PHPの配列のソート

ksort($iro) などと使用します。$iro そのものが変更されます。

辞書順≠文字コード順

文字コード順では日本の辞書の並べ方になりません。下の asort がその様子です。最近、collator_asort を使って各国語の習慣を考慮した並べかえができるようになりました。これはPHPのバージョンが5.3以上のときに入れることのできる拡張機能になっています。サーバーによっては5.3未満であったり、拡張を入れていない場合もあります。

ただし、collator_asort() を使う時には、どの国の習慣に従うかを指示しなければいけません。次のようにします。

$jisho = array ( 0 => 'じしょ', 1 => 'じてん', 2 => 'してん', 3 => 'しんかい', 4 => 'しさん', 5 => 'じこく', );
$coll = collator_create( 'ja_JP' );
collator_asort($coll,$jisho);

画期的な機能ですが、問題もあります。collator_ksort() がないのです。

collator_ksort() がないことの対策

将来的に追加されるかもしれませんが、今のところ考えられる対策は2つです。

(1) key と value を取り替えて使う。

valueにはほぼすべての型のデータが入れられますが、keyには整数値と文字列しか入れられません。valueに入れているデータが整数値か文字列ならば、この方法が使えます。

valueには同じデータが複数あっても問題ありませんが、keyに同じデータがあると最後のものだけが有効になり、他は捨てられます。valueには同じデータがありそうな場合には、対策が必要です。

(2) ユーザーが自分で定義する順番でソートできる uksort を使う。

collatorの拡張には、collator_compare()という関数もあるので、これを使って大小関係を定義して uksort を使えばOKです。

サーバー側の事情で、そもそもcollatorの拡張がないときには自分で定義するのはちょっと辛いところです。

(1)を使って、実験してみます。

すでにある配列の key,value を交換するのは、array_flip() でできます。

$jisho = array ( 'じしょ' => '辞書', 'じてん' => '辞典', 'してん' => '視点', 'しんかい' => '深海', 'しさん' => '試算', 'じこく' => '時刻' );
$flipjisho = array_flip($jisho);
$coll = collator_create( 'ja_JP' );
collator_asort($coll,$flipjisho);
$jisho = array_flip($flipjisho);

課題

元のデータは前と同じ 2to3nen.txt です。あいうえお順に並べ替えでやったのと同じものですが、日本語の辞書順になるようにします。

上のあいうえお順になるページを作り、 sort3.php としなさい。index.htmlに「正しい50音順」という名前のリンクを作りなさい。

プログラムです。sort2.php に比べて $key $val の内容を逆にしています。はじめから辞書順にしたいものを value の方に入れているので、array_flip() は使いません。展開するときも $val でなく $key を使います。ここでも array_flip() は使いません。

<?php
$fp = fopen("2to3nen.txt","r");        
while(!feof($fp)){
    $line = fgets($fp);
    if (trim($line) != null){
        list($hr,$no,$sei,$mei,$seib,$ysei,$ymei,$newhr,$newno) = explode("\t",$line);
        $key = $line;
        $val = $ysei . " " . $ymei;
        $gotoarray[$key]=$val;
    }
}

$coll = collator_create( 'ja_JP' );
collator_asort($coll,$gotoarray);

foreach ($gotoarray as $key => $val) {
    list($hr,$no,$sei,$mei,$seib,$ysei,$ymei,$newhr,$newno) = explode("\t",$key);
    print "<tr>\n";
    print "<td>$newhr</td><td>$newno</td><td>$sei</td><td>$mei</td>";
    print "<td>$seib</td><td>$ysei</td><td>$ymei</td>\n";
    print "<td>$hr</td><td>$no</td>\n";
    print "</tr>\n";
}
fclose($fp);
?>

key にするものが sort2.php と異なりますから、人数が減るという問題は生じません。

下の「辞書順と文字コード順のソート結果の比較」で調べて辞書順の方になっているかを確かめなさい。色の変わっている部分が違いのある部分です。

辞書順と文字コード順のソート結果の比較

「ごとう」、「こん」以外にも違う所があります。以下で確認してください。

このサーバーでは intl 拡張モジュールが有効なっていません。collator_ksort()どころか、collator_asort()も使えません。以下の表はあらかじめ作ってあるものです。