著作権

著作権をもてる人

著作者はプロ、アマチュアを問わない。ただしアィデアだけでは著作にならない。

著作権は譲渡・相続ができる。この場合著作権者という

著作物とは

思想または感情を創作的に表現したもので、文芸、学術、美術、音楽の範囲に属するものを著作物という。内容が高度であるかどうか、また商品価値があるかどうかを問わない。ただし、誰がつくっても同じような表現となるようなありふれたものは認められない。

著作権の発生と保護期間

創作により自動的に著作権が発生

著作者死後50年。独米では70あるいは75年。日本でも延長の可能性有り。

基本的考え方

個人の権利、利益を守る。社会の発展を促す

自分が工夫してまた苦労して作った絵画、文章、音楽などを勝手にだれかが使用していた場合、不愉快になります。製作者の名前の紹介がなかったり、別の人になっていた場合はなおさらです。ましてや、それが商売に使用されていて自分にその見返りがないという場合も考えられます。このようなことが自由に行われると新しい創作物を作ろうという気持ちをなくし、またそれを仕事として生活することができなくなるため、社会全体で創作活動が行われなくなり、全体の利益が損なわれると考えられます。

そこで、法的に絵画、文章、音楽などの創作物を作った者の権利を守ろうということになってきたわけです。文化的なものは著作権と呼ばれています。商業的な世界では特許とか商標とか似たような考え方から工夫や努力を保護する法律ができています。

身近になった著作権

技術の進展で新たな問題が

自分で購入したCDなどを録音して自分で聞く分については問題ありませんが、友人に配るとそれだけCDが売れなくなりますから、著作権の侵害になります。

このようなことは、高性能なコピー機や録音機が簡単に安く手に入るようになって問題となってきました。便利になればなるほど著作権侵害の可能性がでてきます。

圧縮技術の進展により、音楽をCDなどの録音媒体を使用せずにネットワークで配信できるようになりました。流通コストを押さえられ、品切れもなくいつでも簡単に手に入れられる反面、不法なコピーも簡単になってしまいました。著作権をまもる新しい方法が必要になっています。

これと同様にウェブページの出現によって一般人も著作権を身近に感じ、考えていかなければならなくなってきました。

ウェブページ上のデータの著作権

インターネットでWebページを公開するのは本の出版と同じ

ウェブページの文章や画像も簡単にコピーができますから、これを利用したくなるのも自然なことです。しかし、小説や写真集に著作権があるようにウェブページにも著作権があります。画像や模様をコピーして自分のウェブページにはりつけるところまでは私的な使用なのでよいのですが、これをインターネットで公開すると著作権を侵害したことになります。

自分のウェブページに使用する画像は自作するするのが最も価値があります。どうしても手間を省きたいときは販売しているるウェブページ素材集(挿絵やボタン、背景画像)があります。またウェブページで無料で提供しているところもありますから、使用条件を理解した上で利用させてもらいます。

そうでないもので、どうしても使用したいものがあれば、製作者に許可をとります。メールなどでも良いのですが、法的には印刷物の方がいい。

著作権の詳細

複製権
印刷、複写、録音などの権利
絵画を写真に写すこと、ソフトやインターネット上の情報をディスクなどに複製すること。上演したものを録画すること。
上演権、演奏権
公に上演・演奏する権利。録音物の再生も含む
上映権
公に上映する権利。
公衆送信権
公衆に直接受信させる目的で無線・有線で送信する権利
特定多数でも公衆。
口述権
公に口述する権利。
展示
頒布権
譲渡権
貸与権
翻訳・翻案権
翻訳・編曲・翻案(派生的な著作物)
翻訳・翻案したものについての原著作権

著作者人格権

公表権
著作物を公表するまたはしない権利。(未発表のものでも著作権はある)
他人から来た手紙、メールも著作物性があれば無断で公表できない
氏名表示権
作者として実名・ペンネームなどの名前を付ける権利またはつけない権利
同一性保持権
意に反して改変されない様にする権利

著作隣接権

実演家の権利

保護期間のすぎた著作物であっても、演奏、公演、朗読、舞う、という行為をする実演家は、録音権、放送権、報酬請求権などを持つ。

レコード制作者の権利

放送事業者の権利

たとえばバッハの著作権は保護期間をすぎているがCDになった演奏を利用するには演奏家やレコード制作者の権利を考えなければならない

著作権の制限

文化的財産としての側面から著作権を制限し、一定の条件で著作者の許諾なしに使用することができるとしている。原則として出所を明示する必要がある。

私的使用
個人的・家庭内での使用。
引用
公表された著作物で、報道、批評、研究の正当な範囲内であり、出所を明示してあること。自己の文章と明確に区別され、自己の文章が主であり、引用に必然性があること。
教育機関
教育機関でそれを使用して教育を担当するものが授業の過程で使用する目的で複製すること。著作権者の利益を不当に害さないこと。
点字
点字による複製、点字図書館での録音
営利を目的としない上演など
入場無料の文化祭、コンクールなどでの演奏がこれにあたる。

法的手続き

著作権が侵害されたときどのような対抗策がとれるか。

差し止め請求権
損害賠償(故意・過失があるとき)
不当利得返還請求
名誉毀損

関連する権利

特許権

発明に対して保護をする。これはアイディアを保護する。登録が必要

商標権

商品やサービスに付ける名前。これを独占的に使用する権利。登録が必要

肖像権 人格権/パブリシティー権

人格権から発生するプライバシーの権利である。「ほっておかれる権利」といえるかもしれない。承諾なしにみだりに容貌・姿態を撮影されない自由がある。友人の写真の例では撮影の時は暗黙の了解があったと考えられるが、公開に当たっては確認の必要がある。(また、承諾があってもはっきりとした画像であれば悪用の可能性もあるので注意が必要である。)

パブリシティー権は芸能人、スポーツ選手などの名前や肖像がもつ権利。これにともなう経済的な権利は保護されている。かってに使用してはいけない。

キャラクター権

漫画やアニメなどキャラクタをぬいぐるみにしたり玩具にしたり、商品に絵を印刷することは、利益を伴うので原作者やアニメなどの制作会社との契約が必要である。そのような絵をウェブページに掲載して発表することはコピーでなく手書きであっても著作権の侵害となる。不特定多数の人が見るということから、私的使用といえなくなり、複製権・公衆送信権にふれる。


ウェブページ(Feb.2009)
聖愛中学高等学校
http://www.seiai.ed.jp/
Jul.2002 改訂