南側実習室のコンピュータの交換の手順。梱包材の分別、取り付けの段取りを工夫すると能率を上げられる。慣れてくれば1台20分以内で完成できる(ただし作業は組み立てだけではないので単純に台数をかければよいわけではないが)。一日に2台~4台程度にして日数をかけるなら無理なく進めることができる。
メモリはバルクだが、マザーボードとCPUはひとつひとつ梱包を解かなければならない。
マザーボードはさらに導電性の袋の中で赤いスポンジにはさまれている。
梱包材はそのつど分別をする。分別のための箱はマザーボードの箱なので、初めは少ない。それぞれの場所は自然に決まったものなので一見バラバラだが、同じものをまとめるだけなのでそれほど不合理ではない。
マザーボードの下のスポンジを1枚残してある。これからCPUの取り付け。
I/Oの部分。昔のものに比べ、シリアルポート、パラレルポートなどなくなっているが、PS/2キーボード,マウスが残っている。今回はPS/2キーボードをそのまま使うので好都合。
CPUの取り付けは説明書にあるが、一応書く。レバーを外して上げる。
CPUを取り付ける。図で左下にマークがある。載せるだけでピンが刺さる。最後まで入ったか確認。
反対側のレバーで締め付ける。この状態で楽に留金がかかるはず。昔の固定具は力が必要だったが、これは梃子になっているのでかなりスムーズにできる。
ファンの電源を忘れずに接続する。最近のCPUファンは4ピンになった。
これで、マザーボード・CPU・メモリの組み立てが終了。I/OパネルとSATAケーブルは袋から出しておく。
前のコンピュータはEPSONのtypeSA。CPU 866MHz 、128のメモリを256に増やしたもの。電源が弱く、電源を替えるためにケースを購入して入れ替えたものが24台。もとのままのが16台ある。今回のは入れ替えたもの。
この手の作業には電動ドリルドライバが必須。7000円程度。私物。左下の工具は6角レンチ。マザーボードのスペーサー用。
HDDなどはネジを外す前に電源と信号線を外すと作業しやすい。
信号線はマザーボード側も外し、HDD,CD 用はたたみ、FDD用はそのまま。分類して保管するとき一箱に入るかどうかの予想で段取りは変わる。ネジも外す
外されたCD,FDD,HDD。前回の北側実習室の交換ではこの3つはそのまま使用したが、今回はCD,HDDは新規購入で交換。外したものは北側実習室のコンピュータの補修部品となる。FDDはもう使うことはないだろうという判断。
取り外したマザーボード。前回のCPU400MHzのマザーはコンデンサの劣化がひどく使えなかったが、今回はインストールやサーバー作成の実習に使えるだろうか。
I/Oパネルを外し、スペーサーを替える。紙ワッシャーを入れると少し位置が高いのでとり外す。
CD,FDDはミリネジ。HDD、マザーボード、ケースはインチネジ。外したものはすぐ使うので混ざらないように置く。大きな箱に分類せずに入っているのはケース組み立て時の余ったもの。近々使わないものは分類しない方がいいかと考えた結果。
マザーボードのスペーサーは紙ワッシャーをとり外し、2本追加。
このマザーボードとケースの組み合わせでは、電源ケーブルを先にはめ込んでから取り付ける方がよい。
HDDの箱の影なので電源ケーブルを後に取り付けるのは苦しい。写真はネジ止め前。前面パネルの方からアース線が来ているので一応取り付けネジにはさむ。
スイッチやインジケータなどの前面パネルとの接続。マニュアルで確認するのは最初の2,3台。電源LEDは最近高輝度のものが多く、ここには接続しないようになってきている。
オーディオを前面パネルに持ってくるためのコネクタ。マザーボードがHD-AUDIO専用で、ケースのコネクタはHD-AUDIOとAC97の両方の端子を持つ。コネクタの形状は同じ。マザーボードごとにまちまちな音声端子もこれでしばらく落ち着くのかも。
左からスイッチ類、前面USB、HD-AUDIO。手前、右下にはサブの電源。
USBは3箇所6回路だが、USB3につないでいた。問題はないが、写真を撮るまで気づかなかった。
外した信号ケーブルを分類保管。左からCD-audio, FDD, IDE(80芯)
DVDドライブは10台1箱で納品された。古いCDドライブ(右)を入れて、新しいものを取り出す。残念ながら古い方が長くてパッキングを戻すと蓋はしまらない。
HDDは25台1箱で納品された。古いHDDを入れて新しいものを取り出す。こちらは古いものが厚さがあるが何とか入る。
DVDドライブは先に電源と信号線をつけてから押し込む。ドライブは前の物よりかなり短いがそれでも電源の箱との間はせまい。
HDDは80GB。ユーザーはサーバーにデータを置くので容量は大きい必要はない。
SATAはコネクタの接続も楽だし、Master, Slave のジャンパーもなく、気を遣うことも少ない。
HDDに電源と信号のケーブルを取り付ける。この高さなら1系統しかないSATA用の電源がDVDドライブ経由で届く。一般コネクタからの変換ケーブルもマザーボードに付属するが手間も省ける。
SATAをマザーボードのコネクタにつなぐ。USBの向き、補助電源、CPUファンの電源などを確認。
基本的にケーブルは縛らないで済ませる。縛るのも面倒だが取り外しや交換の時にも面倒になる。ファンに当たりさえしなければよしとする。ATAの平ケーブルは引き回しが面倒だったか綺麗に見せるノウハウはあった。SATAはまだそれがよくわからない。でもとても楽。
I/Oコネクタをつけてスイッチを入れる。ファンが回り、異常がないことを確認するまではケースを閉めない。
手早くディスクを挿入。ハードディスクへのOSのインストールの前にCD起動のOSで動作確認をするのが便利。起動だけならUSB起動が便利だが今回は光学ドライブの確認を兼ねる。
画面はまだBIOSが表示しているもので Hardware Monitor とある。CPUの温度やファンの回転数、電源の電圧などが表示されている。
今回は KNOPPIX6.2 DVD日本語版(LCAT対応) 3.8GBを使う。いつも使うKnoppixEduの6と8では起動できなかった。光学ドライブもSATA接続になったなどの新しい環境に対応できないことによるらしい。そこで新しいCD起動のシステムを用意。Ubuntuの10.04も動いたが、起動の速いKNOPPIX6.2を使うことにした。独立行政法人産業技術総合研究所(産総研)knoppixからダウンロードしたもの。
KnoppixはCD(DVD)を排出してEnterキー待ちとなる。
前回の北側実習室の交換では短期間で終わらせようとしたが、今回は7月21日から始めて8月2日であと3台と一日2~3台のペースで進めている。集中すると精神的な負担の他、指先がひりひりするなどいろいろ問題が起こる。
組み立てが終わったらディスプレイとの接続をDVIに変更する予定。次にOSをインストールする。今回はWindowsはいれられないが、将来のために40GB+40GBにパーティションを分けて次のOSを準備するなどの用途に使いたい。GRUBの仕様も変わり、この部分のコピーも調べてみる必要がある。