現在用いられているアドレスは主にIPv4(アイピーブイヨン)です。0から255までの数値を4つドットで区切って並べたものです。
たとえば、
203.0.113.28
しかし、この方法では 256*256*256*256= 約43億 しかアドレスがとれません。これでは全世界のひとりひとりに1個のアドレスを割り振るにも不足です。
そしてついに2011年前半で新たに割り振るアドレスがなくなりました。これからはかねてから用意してあったIPv6(アイピーブイ6、アイピーバージョン6)が割り振られます。
しばらくはIPv4とIPv6を混用することになっているのでいろいろトラブルが起こるかもしれません。
IPv6は次のようなアドレスです。
2001:db8:509c:8110:224:8cff:fe63:24f6
16進表記で4桁ずつ:で区切ったものが8つになりますが、略記法もあって短く書ける場合もあります。これでいくつのアドレスが使えるかというと 約340澗(かん) 個。これは340兆の1兆倍のさらに1兆倍(万、億、兆、京、垓、𥝱(秭)、穣、溝、澗、正、...です)。340×1036です。
IPv4と比較のためにビット数(2進表記にしたときの桁数)で比較すると
IPv4 32ビット IPv6 128ビット
グローバルIPアドレスを使用するためには割り当てを申請して登録しなければなりません。コストもかかります。
LAN内のみで使用するのであればプライベートIPアドレスを自由に使うことができます。
プライベートIPアドレスならば外部から直接アクセスできませんからセキュリティ上も有利です。
プライベートIPアドレスを使うことでグローバルIPアドレスの枯渇を遅らせる効果はありますが、すでにIPv4は使い尽くされました。これから新規の割り当てはIPv6で行われます。
IPv4のプライベートアドレスは次の3領域
10.0.0.0 – 10.255.255.255 172.16.0.0 – 172.31.255.255 192.168.0.0 – 192.168.255.255
IPv6にはIPv4と同様な意味でのプライベートアドレスはありませんが、次の2つが似た位置づけになっています。
fd00::/8 ユニークローカルIPv6ユニキャストアドレス(ULA)の半分 fe80::/64 リンクローカルアドレス
マニュアルなどの設定例、説明文の例示用のアドレス。通信には使用してはいけないアドレス
192.0.2.0 – 192.0.2.255 198.51.100.0 – 198.51.100.255 203.0.113.0 – 203.0.113.255 2001:db8::/32 IPv6文書記述用アドレスプレフィックス
Linuxの場合、自分のコンピュータのIPアドレスは次の様にして調べます。
コマンドライン端末を使います。
[アプリケーション]-[アクセサリ]-[端末]で起動されるソフトウェアです。
コマンドライン端末はターミナルとかコンソールなどとも呼ばれます。
プロンプトの $ の後に、ip addr と入力して[Enter]キーを押します。
adachi@vine41:~$ ip addr
次のような表示になるはずです。
$ ip addr 1: lo: <LOOPBACK,UP,LOWER_UP> mtu 16436 qdisc noqueue state UNKNOWN link/loopback 00:00:00:00:00:00 brd 00:00:00:00:00:00 inet 127.0.0.1/8 scope host lo inet6 ::1/128 scope host valid_lft forever preferred_lft forever 2: eth0: <BROADCAST,MULTICAST,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UNKNOWN qlen 1000 link/ether 00:e0:18:05:1a:65 brd ff:ff:ff:ff:ff:ff inet 10.10.10.40/8 brd 10.255.255.255 scope global eth0 inet6 fe80::2e0:18ff:fe05:1a65/64 scope link valid_lft forever preferred_lft forever
2:eth0 の inet にIPv4のアドレス、inet6 にIPv6のアドレスが出ています。
ちょっと前のLinuxではこちらの ifconfig を使わなければならないかもしれません。
adachi@vine41:~$ /sbin/ifconfig
$ /sbin/ifconfig eth0 Link encap:イーサネット ハードウェアアドレス 00:e0:18:05:1a:65 inetアドレス:10.10.10.40 ブロードキャスト:10.255.255.255 マスク:255.0.0.0 inet6アドレス: fe80::2e0:18ff:fe05:1a65/64 範囲:リンク UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 メトリック:1 RXパケット:13838 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0 TXパケット:13182 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0 衝突(Collisions):0 TXキュー長:1000 RXバイト:8936497 (8.5 MiB) TXバイト:3470306 (3.3 MiB) 割り込み:10 ベースアドレス:0xb000 lo Link encap:ローカルループバック inetアドレス:127.0.0.1 マスク:255.0.0.0 inet6アドレス: ::1/128 範囲:ホスト UP LOOPBACK RUNNING MTU:16436 メトリック:1 RXパケット:30 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 フレーム:0 TXパケット:30 エラー:0 損失:0 オーバラン:0 キャリア:0 衝突(Collisions):0 TXキュー長:0 RXバイト:2332 (2.2 KiB) TXバイト:2332 (2.2 KiB)
ただし、10.xxx.yyy.zzz というアドレスや、192.168.xxx.yyy というアドレスは LAN内のみで使うことを許された「プライベートアドレス」です。インターネットにアクセスするにはLANとインターネットをつないでいるルーターでインターネットに通用する「グローバルアドレス」に変換します。
IPv6のfe80で始まるアドレスもLAN内で限定的に使われるアドレスです。
(1)なぜIPv6が必要なのか
(2)自分が使っているコンピュータのIPアドレスを調べなさい。(IPv4,IPv6両方)